和太鼓の種類

和文化豆知識ー和太鼓の種類
このページでは、日本が世界に誇る伝統楽器「和太鼓」の種類についてご紹介したいと思います。一口に「和太鼓」と言っても、実は様々な種類の和太鼓があります。一つずつ見ていきましょう。

●長胴太鼓(ながどうだいこ)

和文化豆知識-和太鼓の種類-長胴太鼓
こちらは「長胴太鼓(ながどうたいこ)」と言います。

恐らく最も有名で、神社やお祭りなどで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。口径(打面の直径)よりも胴が長いことから「長胴太鼓」と呼ばれ、また、寺や神社でも打たれることから「宮太鼓(みやだいこ)」とも呼ばれます。

胴には、欅(けやき)や栓(せん)などの硬く強度のある木が使われています。原木を輪切りにして中をくり抜き、3〜5年ほど乾燥させ、その後、なめした牝牛の革を張り、鋲で留めて出来上がっています。

くり抜いた胴の中で音が共鳴し遠くまで音が鳴り響くのが特徴で、江戸時代以降はお城から時刻を知らせる時の太鼓として使われたり、相撲のふれ太鼓、下座音楽など様々な場で打たれてきました。

現在の創作太鼓では、その強度を生かし、力強い打ち込みを見せるパフォーマンス用途としても使われています。

●桶胴太鼓(おけどうだいこ)

和文化豆知識-和太鼓の種類-桶胴太鼓
こちらは、「桶胴太鼓(おけどうだいこ)」と言います。

胴の部分は長胴太鼓と違い、長い木の板を桶のように貼り合わせて作られています。木は、杉などの素材が使われることが多いです。

胴の両面に牛革、もしくは馬革をつけ、一本のロープで結びつけて固定します。紐の締め具合を調整することで、音の高低を調整することができます。

長胴太鼓と比べて重量が軽いのが特徴で、現在の創作太鼓では肩から紐をつけ、担いで演奏するパフォーマンスとに使われるのが主流です。
和文化豆知識-和太鼓の種類-桶胴太鼓2

●附締太鼓(つけしめだいこ)

和文化豆知識-和太鼓の種類-附締太鼓
能楽や長唄に使われてきた締太鼓の革を厚くし、張りを強くしたのが「附締太鼓(つけしめだいこ)」です。鉄輪に張った革を胴の両側にあて、ロープまたはボルトで締め付けます。

甲高い音が鳴るが特徴で、お祭りのお囃子などで使われるほか、現在の創作太鼓では高い音を生かしたテンポキープをする役割として使われることが多いです。

また、太鼓を置く「台座」も用途に合わせて変化しており、現在の創作太鼓では太鼓の台座を工夫して高さを調節し、複数の太鼓を並べてドラムセットのように叩く奏法も確立されています。
和文化豆知識-和太鼓の種類-セット
和文化豆知識-和太鼓の種類-セット2
一人で様々な音色を表現できるのが魅力ですね。

その他、「平太鼓(ひらだいこ)」や「吊太鼓(つりだいこ)」など、和太鼓には様々な種類があります。面の大きさや胴の長さ・材質によって音色や響きが変わってきますので、ぜひ色々な太鼓の音色の違いを楽しんでください。

本日は「和太鼓の種類」を紹介致しました。